教育ネットワークを活用して若手教員を積極的に養成
筑波大学では、2013年度に本事業専任の2名の若手教員が本事業における基礎知識学習、短期集中合宿、分散PBLの実施全体に携わることで、実践教育の能力を強化育成しています。また、教育能力だけではなく、連携大学間のコミュニケーション、参加大学との交渉、本事業活動に関わる各種イベントの企画や実施にも中心的に携わることで、大学間連携のためのネットワーク構築に関する能力の強化も図っています。
産業技術大学院大学では、ベテランから若手までの専任教員7名と特任教員2名で本事業に取り組んでいます。これらの体制により、ビジネスアプリケーション分野のFD活動として若手教員の育成も行っています。
公立はこだて未来大学において、1名の若手教員が引き続き本事業の推進に中心的に携わることを通じて、実践教育を推進できる能力を磨いています。また他の連携大学の発表会へ参加したり、enPiT教員の情報交換会に参加したり、積極的なFD活動を行っています。本学のenPiTに関する講義を公開することで、大学間相互の教員育成にも貢献しています。
また、3連携大学(筑波大学、産業技術大学院大学、公立はこだて未来大学)においては、ベテラン教員の他に、若手教員が本事業に中心的に携わります。基礎知識学習、短期集中合宿、分散PBLにおける教材開発などや、本事業で実施するさまざまなイベントに携わることで、実践的教育に関する一層のスキルアップも期待できます。
2016年9月6日〜9日にかけて行われた日本ソフトウェア科学会第33回大会では、rePiTセッションにおいて3件の研究発表を行いました。
- 女性IT技術者の働き方に関するアンケートから見えてきたこと
- 櫻井浩子(大阪大学)、永瀬美穂(産業技術大学院大学)、木塚あゆみ(公立はこだて未来大学)、渡辺知恵美(筑波大学)、森本千佳子(東京工業大学)
- AIITにおける実践的Scrum技術者教育の取り組み
- 中鉢欣秀(産業技術大学院大学)
- 高度ICT人材育成教育における情報デザイン手法導入の課題
- 木塚あゆみ、安井重哉、岡本誠、美馬義亮、柳英克、大場みち子(公立はこだて未来大学)
2016年6月7日、8日産業技術大学院大学が中心となり、FD合宿 in びわ湖2016をFDWG主催で開催しました。参加教員は、小出洋(九州工業大学)、小林克志(東京大学)、崔恩瀞(奈良先端科学技術大学院大学)、佐伯幸郎(神戸大学)、櫻井浩子(大阪大学)、舘伸幸(名古屋大学)、細合晋太郎(九州大学)、遠藤慶一(愛媛大学)、木塚あゆみ(公立はこだて未来大学)、嵯峨智(筑波大学)、千代浩之(産業技術大学院大学)、中鉢欣秀(産業技術大学院大学)、永瀬美穂(産業技術大学院大学)、吉岡弘隆(楽天株式会社(産業技術大学院大学))、渡辺知恵美(筑波大学)と、各分野から15名の参加を得ました。オープン・スペース・テクノロジーによる活発な議論を通してPBL教授法についての研鑽を深めました。前年度までのPBL教育における悩みや問題点をとりあげ、さまざまな議論を実施。また、情報交換会における教員同士の本音でのやりとりにより、日頃のPBLで感じている疑問や悩みごとなどについても率直に意見交換する場となりました。
2016年12月26日、27日筑波大学が中心となり、FD合宿2016 in 沖縄をenPiT FDWG、enPiT2 ビジネスシステムデザイン分野FDWG主催で開催しました。参加教員、連携企業関係者は原田騎郎(株式会社アトラクタ)、田中公平(株式会社エーピーコミュニケーションズ)、小林恭平(株式会社オンザロード)、嶺井恵里奈(琉球大学)、小林克志(東京大学)、吉岡弘隆(楽天株式会社(産業技術大学院大学))、酒森潔(産業技術大学院大学)、千代浩之(産業技術大学院大学)、中鉢欣秀(産業技術大学院大学)、土屋陽介(産業技術大学院大学)、永瀬美穂(産業技術大学院大学)、中野美由紀(産業技術大学院大学)、渡邊紀文(産業技術大学院大学)、天笠俊之(筑波大学)、面和成(筑波大学)、嵯峨智(筑波大学)、渡辺知恵美(筑波大学)、岡崎威生(琉球大学)、國田樹(琉球大学)、當間愛晃(琉球大学)、名嘉村盛和(琉球大学)、長山格(琉球大学)、山田孝治(琉球大学)と、各分野から23名の参加を得ました。第1回の合宿同様、オープン・スペース・テクノロジーによる活発な議論を通してPBL教授法についての研鑽を深めました。今年度のPBL教育における悩みや問題点、評価方法などを取りあげ、さまざまな議論を実施。また、情報交換会における教員同士の本音での交流により、日頃のPBLで感じている疑問や悩みごとなどについても率直に意見交換する場となりました。今回は主に新規連携大学に向けたFDとして企画したが、新規参加者のみならずこれまでの参加者にとっても実りの多い合宿となりました。
参加大学に在籍する教員に対しては、短期集中合宿や分散PBLに積極的に参加してもらうことで実践的教育の普及展開や教員のFDとしても効果的でした。また、連携企業の担当者を交えた実践教育に関する情報交換、意見交換、レクチャーなどの場を設定することでビジネスアプリケーション分野における効果的なFD体制の形成を図っています。
さらに、連携大学ごとのワークショップや分野ワークショップの際に、本プログラムに参加している学生・教員・連携企業担当者を一堂に会した年度の活動の振り返りを行い、カリキュラムの実施方法や教育内容の改善に努めています。連携大学、参加大学合わせて、40名程度の教員の参加を目標にしています(本年度の実施状況は前述の通り)。
これらを通して、ビジネスアプリケーション分野を中心とした実践的な大学院教育のレベルアップを図るとともに、連携大学、参加大学において、PBLを中心とした実践教育を担当可能な教員の一層の充実を図り、来年度から本格的に開始されるビジネスシステムデザイン分野への柔軟な継続性を確保してきました。その他、2013年度からの短期集中合宿における集中講義・演習と分散PBLを通して、実践的教育手法を連携大学・参加大学と共有可能な情報としてまとめていくとともに、連携大学や参加大学の情報交換のためのネットワークを維持・強化し、実践教育の普及を目指しています。